弁理士試験の口述試験

口述試験とは?

 弁理士試験の三次(最終)試験にあたり、毎年10月(中旬〜下旬)に行われます。 試験会場は東京会場のみで、平成19年度はホテルイースト21東京(東京都江東区東陽町)で行われました。 論理的思考能力や問題解決能力を明解に説明し、コミュニケーションを図る能力を判断する試験であり、試験官の出す複数の問題に口頭で解答します。

 現在の試験範囲は、特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令ですが、マドリッド協定やパリ条約について聞かれることもあるようです。試験時間は、それぞれの科目について10分程度とされています。但し、10分で打ち切れられるわけではなく、時間をオーバーしても試験官の裁量で延長されることが多いようです。また、合格基準は、理解不十分と判断される科目が2科目以上ないことであり、具体的には、ABC判定のC判定が2つ以上ある場合、不合格となります。なお、条約は範囲に含まれていませんが、一部条約(パリ条約、PCT、マドプロ)について言及されることもあるようです。

会場について

 平成19年度から試験会場が変更され、ホテルイースト21東京(東京都江東区東陽町)となりました。 私は1日目の午後に試験を受けたのですが、12階のフロアを貸し切って 特実、意匠、商標の全科目の試験会場が設けられていました。 特実が終了すると廊下を挟んで向かい側の意匠の部屋に移動する様な感じです。 ちなみに、部屋は一般的なシティホテルのダブルベッドルーム位の広さで、 ベッドの代わりに二つの机が向かい合わせに配置されていました。 なお、集合場所は21階のラウンジパノラマで、窓からは景色が一望できるという、 試験でなければ最高のシチュエーションでした。

試験について

 2メートルくらい離れて、向かい合わせに座った試験官2人との面接を行います (問題については「平成19年度口述試験の再現」をご覧下さい)。試験官の前にはついたてが配置されており、手元が見えないようにされています。確認はできませんでしたが、試験官は受験生の個人情報、試験問題、解答及び論文試験の結果を持っているようです。

 なお、試験問題は試験日に複数の問題から無作為に取り出すそうですので、試験期間の前半と後半とで難易度を変えているということは無いようです。基本的には、試験官の質問→受験生の解答→(試験官のヒント)という流れです。

 試験官の質問に受験生が解答したが、 試験官の求める内容ではなかった場合(試験官の手持ち解答と異なる場合)に、 その解答へ誘導するように試験官からヒントが出されます。 例えば、「特許法上、意匠法の審判とは異なる趣旨の審判は?」という質問に対して、 「延長登録無効審判です。」と解答した場合、「他にありませんか?」 というように足りないことが示唆されます。

アドバイス(重要)

@ 試験中の待ち時間は、基本的に飲み物を飲むことができ、集合場所の他、科目毎の合間にも飲むことができました。 例えば、特許終了後意匠開始前の間は、前の受験生が終了するまで廊下で待つのですが、 その時にも許可を取って飲むことができました。なお、それ以外は、待ち時間に飲食喫煙することはできません。 一科目が終わると緊張で口の中がカラカラになってしまい、次の試験に差支えがあるので、 口述試験には飲み物を持参すると良いです

A 口述模試を受けていて気が付いたことですが、ほとんどの模擬試験官は、沈黙することで大きく減点していました。 つまり、長時間沈黙してしまうならば、わからなくともとりあえず何か解答することが大事です。 なお、私はしませんでしたが、聞きなおすという手段もあるようです。

B 口述試験の間は試験官に許可を得て法令集を見ることができます。 ここで、人によっては試験中に法令集を見るとC判定となるという方もいます。 しかし、沈黙してしまうよりは、わからなければ法令集を見ることが大事です。 むしろ、沈黙してしまうと困るという模擬試験官が多かったです。

C 解答に際しては、完全な解答よりも簡潔に短く解答することがより良いです。 解答が長いと試験官が理解しにくいようで、正解であっても評価が低くなってしまいます。 例えば、「特許法50条の2の通知を受けた際の制限は何か?」と聞かれた場合、 17条の2の補正制限を列挙するのではなく、「最後の拒絶理由の通知時と同じ補正の制限を受けます。」 と解答するのが良いようです。この後、「具体的には何ですか?」等と続きます。

D 解答後に「他にありませんか?」「本当にそうですか?」等と言われた場合、 基本的には解答が足りない又は間違っています。 しかし、試験官による、問題の言い間違い、聞き間違い、聞き逃しがよくありました。このような場合は、焦らずにもう一度丁寧に解答し直せば良く、 焦らないことが大事です。 その他、問題やヒントが分かり難いといったこともあるので、聞きなおすことも大事かもしれません。

E 私の試験官は温和な方だったのですが、かなり機嫌が悪い試験官(途中で怒り始める等)や非常に質問内容が分りにくい試験官もいるようです。 このような試験官に当ってしまったら、不運と思って他の科目で取り戻すことを考えた方が良いかもしれません。

F 最後に、過去問に無いような難問に当たってしまうということもあります。 口述の勉強範囲を絞り過ぎないように、一通り全範囲を復習することが大事です。

口述試験の採点ポイント

定義/趣旨/条文/判例の正確さ
論理性/回答の適切さ
回答に矛盾が無いか
題意把握が正確か
ヒント/誘導に従っているか
沈黙が長くないか
自信の無さが見えていないか
先走りして回答していないか
早口や小声ではないか/聞き取りやすく回答しているか
横柄な/萎縮した/落ち着きのない態度ではないか
姿勢が悪くないか/視線が泳いでいないか
服装/髪型が不適切でないか
法文集を見た後に、閉じてから回答しているか


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