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民事訴訟法−その他−

 特定侵害訴訟代理業務試験(いわゆる付記試験)のための備忘録です。
 内容の正確性は保証いたしませんので、そのつもりでご覧ください。

仮処分

 仮処分は民事保全法に定められた保全処分の一部である(民事保全法23条等※以下民保)。なお、仮処分の申立人を債権者、被申立人を債務者という。
 差し止めの仮処分の場合、本案訴訟確定までの暫定的処分とはいえ本願請求とほぼ同一内容の給付を実現するものであり、市場において有利な立場を得ることが出来る。また、手数料が1500円と安価である。
 他方、疎明(民訴188条)の即時性による制約があるほか(在廷しない人称・文書提出命令の不許可等)、担保が必要になるといったデメリットもある。
 仮処分の流れは、
 申立書の提出 → 担当裁判官による審尋(本案訴訟が継続している場合は、原則としてそれを審理する裁判官の一人が担当となる。) → 認容・却下決定 → (認容決定の場合)担保金の供託 → 仮処分命令
 となる。なお、債務者は、仮処分命令に対して保全異議申立ができる(民保26条)。また、債権者は、却下決定に対して即時抗告できる(民保19条2項)。


管轄

 特許権等に関する訴えについての保全命令事件は、本案の管轄裁判所(第一審裁判所又は本案が控訴審に係属するときは控訴裁判所)が管轄する。ただし、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が民訴6条1項各号に定める裁判所であるときは、その裁判所もこれを管轄する(民保12条2項)。なお、未係属の場合は、その訴訟が継続すべき第一審裁判所である。

係争物に関する仮処分

 係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる(民保23条1項)。例えば、実用新案権の移転登録を求める者が、その処分を禁止する場合である。

仮の地位を定める仮処分

 仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる(民保23条2項)。例えば、差し止めの仮処分の場合である。

訴えの変更

 原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで請求又は請求の原因を変更できる。ただし、著しく訴訟手続を遅滞させるときは除く(民訴143条1項)。訴えの変更には、請求の趣旨の変更と請求の原因の変更がある。
 同一の侵害行為に基づくものであれば、差止請求と損害賠償請求との間に請求の基礎の変更は無い。また、同一の権利に基づく請求であれば、請求の基礎の変更は無い。また、相手方の陳述した事実を変更後の請求の原因とする場合は、請求の基礎の変更はない。
 請求の基礎に変更がないとは、変更後の請求の利益関係が変更前の請求と社会生活上共通であり、変更前の裁判資料を継続利用できることをいう。ただし、被告が同意し又は応訴した場合は除く。
 著しく訴訟手続きを遅滞させるとは、別訴による方が適切な場合をいう。
 口頭弁論の終結に至るまでとは、事実審の口頭弁論終結前をいう。
 変更前の請求に変えて変更後の請求について審判を求める場合(交換的変更)、変更前の請求が消滅する点では訴え取下げ(民訴261条)と同様である。そのため、相手方が準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければならない。同意が得られなければ、追加的変更として扱われ、変更前の請求も維持される。


再審

 所定の事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない(民訴338条)。
 例えば、特許権の侵害訴訟の基礎となる特許権が無効となった場合、判決の基礎となった行政処分が後の行政処分により変更されたことに該当し(民訴338条1項8号)、再審によって確定判決の効力を覆すことができる。



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