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 また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供しているオリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。

H29年短答特実問13

 特許法に規定する実施権、仮専用実施権又は仮通常実施権に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものの組合せは、どれか。
 ただし、特に文中に示した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際出願に係る特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、取下げ、放棄又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。


枝1

 (イ) 特許法第36条の2第2項に規定する外国語書面出願の場合、特許を受ける権利を有する者は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内であれば仮専用実施権の設定をすることができ、また、誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面を補正した場合には、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面に記載した事項の範囲内で、仮専用実施権の設定をすることができる。
 なお、翻訳文に記載した事項は、外国語書面に記載した事項の範囲内であり、また、仮専用実施権の設定行為に別段の定めはないものとする。


 解答
 ○ 特34条の2第1項解説参照。最初に添付した明細書等の範囲は、外国語書面出願にあっては、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲も含まれる(特17条の2第3項)。また、補正により記載された発明についても、仮専用実施権を設定できる。

枝2

 (ロ) 仮通常実施権が許諾されている実用新案登録出願を特許出願に変更した場合、当該仮通常実施権の許諾を受けていた者が当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内の事項を実施するためには、当該特許出願に係る新たな仮通常実施権の許諾が必要である。
 なお、当該実用新案登録出願に係る仮通常実施権の設定行為に別段の定めはないものとする。


 解答
 × 特34条の3第8項解説参照。仮通常実施権の許諾されている実用新案登録出願を特許出願に変更した場合には、変更後の特許出願について実用新案登録出願についての仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内で仮通常実施権が許諾されたものとみなされる。

枝3

 (ハ) 特許法第93条に規定する公共の利益のための通常実施権の設定の裁定においては、必ずしも対価の額を定めなくてもよい。

 解答
 × 特93条3項で準用する特86条2項2号に記載の通り。対価の額を定めなければならない。

枝4

 (ニ) 発明イに係る特許権の権利者甲は、乙に対し、その特許権を目的とする質権を設定した。その後、甲が、発明イを権原なく業として実施していた丙に対し、自己の特許権侵害による実施料相当額の損害賠償を請求したところ、丙より甲に損害賠償として実施料相当額の支払がなされた。乙は、丙より甲に損害賠償として支払われた金銭に対して、質権を行うことはできない。

 解答
 ○ 特96条解説参照。損害賠償請求権の上にも質権の効力が認められるが、払い渡し前に差押えなければならない。

枝5

 (ホ) 特許庁長官は、特許法第83条第2項に規定する不実施の場合の通常実施権の設定の裁定をした後で、通常実施権の設定を受けた者が適当にその特許発明の実施をしないときは、職権で裁定を取り消すことができ、裁定の取消しがあったときは、通常実施権は裁定のときからなかったものとみなされる。

 解答
 × 特91条に記載の通。裁定の取消があったときは、通常実施権は、その後消滅する。

 解説
 (イ)と(ニ)が正しいので、2が正解。






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