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 また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供しているオリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。

H27年短答試験問15

 商標権の効力に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

枝1

 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには商標の外観、観念、称呼により判断すべきであって、これら以外の要素を踏まえて判断すべきではない。

 解答
 × 商37条1号解説参照。商標の類否は、同一又は類似の商品等に使用された商標が、外観、観念、称呼によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察される。

枝2

 商標権者は、自己の商標権に基づく登録商標の使用料相当額の損害(商標法第38条第3項)を主張するときは、いかなる場合であっても、権利侵害の事実、損害の発生及び通常受けるべき金銭の額を主張立証しなければならない。

 解答
 × 特102条3項解説参照。本項の推定においては、損害の発生、侵害と損害の因果関係及び損害額の立証は不要である。

枝3

 著名なアニメーションキャラクターについて、その著作権者の承諾を得て、当該キャラクターを表示した被服を販売する行為は、いかなる場合であっても、被服を指定商品とする当該キャラクターの図形の商標に係る他人の商標権を侵害する。

 解答
 × 商26条1項6号解説参照。商標的使用でなければ商標権の侵害とはならない。例としては、「ポパイ事件」※ポパイの図柄文字をシャツの胸部の中央部分に大きく表示するのは商標の機能を発揮するためではないので、自他商品識別機能を有せず出所表示の目的で表示されたものではない(昭和49(ワ)393号)がある。

枝4

 商標権者以外の者が、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一の商標を付したものを輸入する行為は商標権を侵害するが、そのような商品の輸入であっても、当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係がある場合であれば、いわゆる真正商品の並行輸入として、いかなるときも商標権侵害にあたることはない。

 解答
 × 商25条解説参照。いわゆる真正商品の並行輸入に該当するには、わが国の商標権者が直接又は間接的に当該商品の品質管理を行う得ることから、当該商品とわが国の商標権者が登録商標を付した商品とが登録商標の保障する品質において実質的に差異がないことも要するので、商標権侵害にあたることもある。

枝5

 登録商標に類似する標章を第三者がその製造販売する商品につき商標として使用した場合であっても、当該登録商標に顧客吸引力が全く認められず、登録商標に類似する標章を使用することが第三者の商品の売り上げに全く寄与していないことが明らかなときは、得べかりし利益としての使用料相当額の損害が生じない。

 解答
 ○ 商38条3項解説参照。登録商標に顧客吸引力が全くみとめられず商品の売り上げに全く寄与しないことが明らかな場合は、得られるべき利益としての使用料相当額の損害も生じていないと解されるので、使用料相当額の損害賠償も認められない。


 解説
 枝1〜4が誤っているので、4の4つが正解。







オリジナルレジュメ

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