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 また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供しているオリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。

H26年短答試験問47

 特許法第29条の2(いわゆる拡大された範囲の先願)及び第39条(先願)に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
 ただし、特に文中に示した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願、又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張は取り下げないものとする。


枝1

 甲は、発明イについて特許出願Aをし、乙は出願Aと同日に発明イについて特許出願Bをした。この場合、審査官は、特許法第39条第6項に基づき、相当の期間を指定して、協議をしてその結果を届け出るべき旨を甲及び乙に命じなければならない。

 解答
 × 特39条6項の記載の通り。協議命令の主体は特許庁長官であるので、誤り。

枝2

 甲は、自らした発明イについて特許出願Aをし、乙は、出願Aの出願日後でかつ出願公開前に、自らした発明イについて特許出願Bをした。出願Aについては、出願日から3年以内に出願審査の請求がなかったので、出願Aは取り下げられたものとみなされた。この場合、出願Aについて出願公開がされていても、出願Bは、出願Aが先願であるとして拒絶されることはなく、出願Aがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されることもない。

 解答
 × 特29条の2解説参照。出願公開の請求がなされた出願は取下等されても公開されるので、出願公開請求後に取り下げられた出願は拡大先願の地位を有し得る。よって、出願Bは、出願Aがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されるので、誤り。

枝3

 甲は、特許請求の範囲及び要約書に自らした発明イのみを記載し、明細書及び図面には、発明イとともに自らした発明ロを記載して特許出願Aをした。乙は、出願Aの出願日後でかつ出願公開前に、特許請求の範囲及び明細書に自らした発明イを記載して特許出願Bをした。その後、甲は、発明ロのみが明細書、特許請求の範囲及び図面に記載されるものとする補正をした。この場合、出願Aについて出願公開がされても、出願Bは、出願Aがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されることはない。

 解答
 × 特29条の2解説参照。ある発明を削除する補正をした出願について公開された場合であっても、当該発明について拡大先願の地位が発生する。よって、出願Bは、出願Aがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されるので、誤り。

枝4

 甲は、自らした発明イについて平成25年2月1日に特許出願Aをし、平成25年12月9日に出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ及びロについての特許出願Bをした。その後、甲は、平成26年1月31日に出願Bのみを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ、ロ及びハについての特許出願Cをした。乙は、平成26年1月15日に自らした発明イについて特許出願Dをした。この場合、出願Cについて出願公開がされたとき、出願Dは、出願Bがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶される。

 解答
 × 特41条3項解説参照。同項かっこ書には、いわゆる優先権の累積的主張に係る発明については、出願公開擬制されない旨が規定されている。よって、累積的に重複する発明イについては出願公開擬制されず、出願Dは、出願Bがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されないので、誤り。

枝5

 甲は、パリ条約の同盟国において、自らした発明イについて平成25年2月1日に最初の特許出願Aをした後、平成25年12月9日に日本国において、出願Aに基づくパリ条約による優先権の主張を伴う発明イ及びロについての特許出願Bをした。その後、甲は、平成26年1月31日に出願Bのみを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ、ロ及びハについての特許出願Cをした。乙は、平成26年1月15日に自らした発明イについて特許出願Dをした。この場合、出願Dについて出願公開がされても、出願Cは、出願Dがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されることはない。

 解答
 × 特41条2項解説参照。同項かっこ書きには、先の出願が優先権等を伴う場合に、いわゆる累積的な優先権主張の効果を認めない旨が規定されている。つまり、パリ優先と同様に、先の出願の新規追加事項についてのみ優先権主張の効果が認められる。よって、累積的に重複する発明イについては現実の出願時で審査され、出願Cは、出願Dがいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されるので、誤り。

解説

 全て誤っているので、5の5つが正解。






オリジナルレジュメ

 参考書・基本書  試験対策・勉強法  改正・判例解説  短答試験  過去問  論文試験  選択科目  選択科目の免除  口述試験  転職





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