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 なお、解説中「○○解説参照」とあるのは、弊サイトのオリジナルレジュメの解説文のことです。

H22年短答試験問15

 〔15〕商標登録の要件等に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。


枝1

 (イ) 商標登録出願に係る商標が、その出願時及び査定時に日本国のぶどう酒の産地のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章を有する商標であって、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒を指定商品とするものは、商品の品質の誤認を生ずるおそれのないものであっても、商標登録を受けることができない。

 解答
 〇 商4条1項17号に記載の通り。同号には「日本国のぶどう酒のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章を有する商標であつて、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒について使用をするもの」とのみ規定されており、商品の品質の誤認は要件とされていない。

枝2

 (ロ) 商標登録出願に係る商標が、その指定商品「乳酸菌飲料」の容器の形状に係る立体商標である場合、この容器の形状が、容器自体の持つ機能を効果的に発揮させる目的で選択される限りにおいては、原則として、商標登録を受けることができない。

 解答
 〇 商3条1項3号参照。ヤクルトの容器が登録されなかったという事件を知っているか否かを問う問題。正直、判決内容を知らなくとも回答できる。容器は商品の包装であり、容器自体の持つ機能を効果的に発揮させる目的で選択される形状ということは、通常採用し得る形状の範囲を超えているとは認識し得ない。従って、全体としてその商品の形状(収納容器)の一形態を表したものと認められる。よって、その商品の包装の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、原則として、商標登録を受けることができない。なお、「原則として」あるので、識別力のある文字等を付した例外は考慮しない。

枝3

 (ハ) 商品に係る登録商標に類似する商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている場合において、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品について他人が登録商標の使用をすることによりその商品と自己の業務に係る指定商品とが混同を生ずるおそれがあるとき、当該商標権者は、そのおそれがある商品について、その登録商標と同一の標章について防護標章登録を受けることができる場合がある。

 解答
 〇 商64条1項参照。防護標章登録は、商品に係る登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていれば(著名であれば)認められる。つまり、類似商標が著名であるか否かに関わらず、登録商標が著名であれば防護標章登録を受け得る。なお、「場合がある」とあるので、あらゆるケースを考慮する。

枝4

 (ニ) 商標登録出願に係る商標が「東京ぶどうパン」の文字からなり、指定商品を第30類「菓子, パン」として商標登録出願されたものは、指定商品を第30類「東京で製造されたパン」と補正した場合でも、商標登録を受けることができない。

 解答
 〇 商3条1項3号及び商4条1項16号解説参照。産地を表示するものであるので、商3条1項3号により拒絶される。また、ぶどうパンであるとの誤認を生じるおそれがあるので、商4条1項16号により拒絶される。

枝5

 (ホ) 法人格を有する事業協同組合がその構成員に使用をさせる商標であって、その地域の名称及びその構成員の業務に係る商品を表示するものとして慣用されている名称を普通に用いられる方法で表示する文字のみからなる商標は、その商標が使用をされた結果、その構成員の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に全国的に認識されている場合のみ、地域団体商標の商標登録を受けることができる。

 解答
 × 商7条の2第1項解説参照。地域団体商標は全国的な周知性は要求されず、近隣都道府県で周知であれば良い。


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