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意匠法29条-30条

 初学者の方は勉強を始める前に、特許庁HPで公開されている初心者向け知的財産権制度説明会のテキストを見て、知的財産権制度の概要を勉強して下さい。なお、地域におけるサービスに関する項目と、様式及び参考に関する項目は、読まなくとも結構です。
 以下、太字部が条文になります。小文字部が条文以外の暗記項目です。

意匠法29条(先使用による通常実施権)

 意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をし、又は意匠登録出願に係る意匠を知らないでその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をした者から知得して、意匠登録出願の際(第九条の二の規定により、又は第十七条の三第一項(第五十条第一項(第五十七条第一項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定により、その意匠登録出願が手続補正書を提出した時にしたものとみなされたときは、もとの意匠登録出願の際又は手続補正書を提出した際)現に日本国内においてその意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する。

 ・補正後の新出願の場合は、もとの意匠登録出願の際又は手続補正書を提出した際のいずれかで要件を満たせば通常実施権が認められる。
 ・実施又は実施の準備をしている意匠そのものにのみ通常実施権が認められ、実施又は実施の準備をしている意匠に類似する意匠には認められない。なお、対価は不要である。


意匠法29条の2(先出願による通常実施権)

第一項

 意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をし、又は意匠登録出願に係る意匠を知らないでその意匠若しくはこれに類似する意匠の創作をした者から知得して、意匠権の設定の登録の際現に日本国内においてその意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者(前条に該当する者を除く。)は、次の各号のいずれにも該当する場合に限り、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する。

 ・拒絶確定出願に係る意匠に類似する後願意匠は登録される場合があり、先使用権が認められない場合には、先願の拒絶確定出願に係る意匠の実施が後発的に制限され、その実施者が不測の損害を被ることがある。このような問題に対応するために、一定要件下で拒絶確定出願の出願人に、後願に係る意匠権についての通常実施権を認めることとした。なお、対価は不要である。  ・本条は、後願の出願から設定登録の間に開始した実施等を対象とするものであり、出願前の実施に対しては、先使用権で対応する。先使用の場合が除かれるのは、複数の実施権が認められることとした場合、後願意匠権者の権利を不当に制約しかねないからである。

第一号

 その意匠登録出願の日前に、自らその意匠又はこれに類似する意匠について意匠登録出願をし、当該意匠登録出願に係る意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者であること。

 ・自己が出願した意匠に類似する意匠の範囲を実施していても、該当しない。
 ・後願との間を規定しているのみなので、先願により拒絶された後願出願人には通常実施権が認められない。


第二号

 前号の自らした意匠登録出願について、その意匠登録出願に係る意匠が第三条第一項各号の一に該当し、拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定した者であること。

 ・自らは意匠登録を受けられないが、他人の許諾を得ることなく実施可能であり、後願登録意匠により侵害とはされないとの期待権を保護するためである。
 ・意3条1項各号に該当する場合としては、他人の登録意匠と同一又は類似の場合もあり得る。しかし、この場合に当該他人に無承諾で実施等をした時は、その意匠権の侵害を構成する。
 ・拒絶の理由となる先行文献が自己の出願であっても適用となる。
 ・新規性がないことにより拒絶された場合に限る。よって、創作非容易性違反で拒絶された場合は、通常実施権が発生しない。


意匠法29条の3(意匠権の移転の登録前の実施による通常実施権)

第一項

 第二十六条の二第一項の規定による請求に基づく意匠権の移転の登録の際現にその意匠権、その意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有していた者であつて、その意匠権の移転の登録前に、意匠登録が第四十八条第一項第一号に規定する要件に該当すること(その意匠登録が第十五条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は第四十八条第一項第三号に規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠権について通常実施権を有する。

第二項

 当該意匠権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

意匠法30条(無効審判の請求登録前の実施による通常実施権)

第一項

 次の各号のいずれかに該当する者であつて、意匠登録無効審判の請求の登録前に、意匠登録が第四十八条第一項各号のいずれかに該当することを知らないで、日本国内において当該意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、当該意匠権又はその意匠登録を無効にした際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

第一号

 同一又は類似の意匠についての二以上の意匠登録のうち、その一を無効にした場合における原意匠権者

 ・先願か否かは問わない。

第二号

 意匠登録を無効にして同一又は類似の意匠について正当権利者に意匠登録をした場合における原意匠権者

第三号

 前二号に掲げる場合において、意匠登録無効審判の請求の登録の際現にその無効にした意匠登録に係る意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者

第二項

 当該意匠権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

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