特許法184条の11-184条の15
初学者の方は勉強を始める前に、特許庁HPで公開されている初心者向け知的財産権制度説明会のテキストを見て、知的財産権制度の概要を勉強して下さい。なお、地域におけるサービスに関する項目と、様式及び参考に関する項目は、読まなくとも結構です。
以下、
太字部が条文になります。小文字部が条文以外の暗記項目です。
特許法184条の11(在外者の特許管理人の特例)
第一項
在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。
第二項
前項に規定する者は、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
・届出は国内処理基準時の属する日後3月以内である。
第三項
前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げたものとみなす。
・国内書面提出期間又は翻訳文提出特例期間内に明細書等の翻訳文提出がなかつた時、国内処理基準時の属する日後3月以内に特許管理人の選任の届出がなかつた時は、国際特許出願は取り下げられたものとみなす。
特許法184条の12(補正の特例)
第一項
日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第十七条第一項本文の規定にかかわらず、手続の補正(第百八十四条の七第二項及び第百八十四条の八第二項に規定する補正を除く。)をすることができない。
・国内移行後でなければ補正はできない。つまり、日本語特許出願については国内書面提出及び手数料納付後であって、外国語特許出願については翻訳文提出、国内書面提出及び手数料納付後であつて、いずれも国内処理基準時(国内書面提出期間、具体的には、優先日から30月又は出願審査請求時。)を経過した後でなければ、特17条補正できない。なお、国内処理基準時とは、@優先日から2年6月満了時、又は、A審査請求時であるが、国内書面提出期間内に国内書面を提出した外国語特許出願にあっては、@に代わってB国内書面の提出の日から2月(翻訳文提出特例期間)満了時 となる。
・特184条の7第2項及び特184条の8第2項に規定する補正を除く。
第二項
外国語特許出願に係る明細書、特許請求の範囲又は図面について補正ができる範囲については、第十七条の二第二項中「第三十六条の二第二項の外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、同条第三項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第四項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面))」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日(以下この項において「国際出願日」という。)における第百八十四条の三第二項の国際特許出願(以下この項において「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の第百八十四条の四第一項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文(同条第二項又は第四項の規定により千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下この項において「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)」とする。
・補正の基礎となるのは、誤訳訂正書を提出した場合を除いて、翻訳文の範囲である旨を規定している。
第三項
国際特許出願の出願人は、第十七条の三の規定にかかわらず、優先日から一年三月以内(第百八十四条の四第一項の規定により翻訳文が提出された外国語特許出願のうち、国内書面提出期間内に出願人から出願審査の請求のあつた国際特許出願であつて国際公開がされているものについては、出願審査の請求があつた後を除く。)に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
・外国語特許出願においては、国際公開され且つ審査請求がされれば国内公表されるので、その後は要約書を補正できない。
特許法184条の12の2
日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第二十七条第一項第四号の規定にかかわらず、仮専用実施権又は仮通常実施権の登録を受けることができない。
・日本語特許出願については国内書面の提出及び手数料の納付の後、外国語特許出願については翻訳文の提出、国内書面の提出及び手数料の納付の後であって国内処理基準時を経過した後でなければ、仮専用実施権又は仮通常実施権の登録を受けることができない。国際特許出願が我が国において有効に係属している必要があるからである。
特許法184条の13(特許要件の特例)
第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項 の国際実用新案登録出願である場合における第二十九条の二の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第百八十四条の四第三項又は実用新案法第四十八条の四第三項 の規定により取り下げられたものとみなされた第百八十四条の四第一項 の外国語特許出願又は同法第四十八条の四第一項 の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項 の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
・日本語特許出願及び外国語特許出願共に、国内公表がされなくとも、国際公開により、国際出願日における明細書等の範囲から拡大先願の地位が発生する旨、及び、翻訳文未提出により取下擬制された国際出願は拡大先願の地位を有さない旨を規定している。
特許法184条の14(発明の新規性の喪失の例外の特例)
第三十条第一項又は第三項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明が第三十条第一項又は第三項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を、同条第四項の規定にかかわらず、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。
・経済産業省令で定める期間とは、30日である。また、みなし国際特許出願は決定後から30日である。なお、新規性喪失の例外適用手続は、国際出願の願書においても行うことが可能であり、出願日から30日以内に提出することもできる。
特許法184条の15(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第一項
国際特許出願については、第四十一条第一項ただし書及び第四項並びに第四十二条第二項の規定は、適用しない。
・1年4月以内に優先権書類が提出されないことを理由に優先権主張が無視されることはない。
・特41条4項、特42条2項についてはPCTに従う。なお、優先権主張は、優先日から30月以内であれば取下できる。但し、先の出願が国内出願の場合は出願日から1年3月で取下擬制されるので、優先権主張を取り下げても先の出願は復活しない。
・PCT8条(2)(b)には、いわゆる自己指定が認めれる旨が規定されている。
・PCT規則17.1cには、優先権書類が提出されない場合に優先権の主張を無視できる旨が規定されている。但し、日本での国内優先の主張については、優先権書類の提出を義務付けていないので、優先権書類の提出をしなくともその主張は無視されない。
第二項
日本語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「又は出願公開」とあるのは、「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
・PCT自己指定の日本語特許出願の場合、先の出願は、国際公開をもって特29条の2における公開とみなされる旨を規定している。
第三項
外国語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「又は出願公開」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
・PCT自己指定の外国語特許出願の場合、先の出願は、国際公開をもって特29条の2における公開とみなされる旨を規定している。なお、国際出願の場合、国際出願日の明細書等から拡大先願の地位が発生する。つまり、外国語特許出願の場合、原語で作成された国際出願日における明細書等から拡大先願の地位が発生する。
第四項
第四十一条第一項の先の出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項 の国際実用新案登録出願である場合における第四十一条第一項 から第三項 まで及び第四十二条第一項 の規定の適用については、第四十一条第一項及び第二項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項 の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同条第三項 中「先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「先の出願の第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項 の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「について出願公開」とあるのは「について千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、第四十二条第一項中「その出願の日から一年三月を経過した時」とあるのは「第百八十四条の四第四項若しくは実用新案法第四十八条の四第四項 の国内処理基準時又は第百八十四条の四第一項 若しくは同法第四十八条の四第一項 の国際出願日から一年三月を経過した時のいずれか遅い時」とする。
・先の出願が国際特許出願の場合、取下擬制される期限は国内処理基準時または国際出願日から1年3月のいずれか遅い日である旨を規定している。なお、国内出願である場合は、通常通り出願から1年3月である。
・先の出願が国際出願である場合は、国際出願日の明細書等から優先権を主張できる旨、及び、国際公開をもって公開したとみなされる旨を規定している。
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