特許法161-165条
初学者の方は勉強を始める前に、特許庁HPで公開されている初心者向け知的財産権制度説明会のテキストを見て、知的財産権制度の概要を勉強して下さい。なお、地域におけるサービスに関する項目と、様式及び参考に関する項目は、読まなくとも結構です。
以下、
太字部が条文になります。小文字部が条文以外の暗記項目です。
特許法161条
第百三十四条第一項から第三項まで、第百三十四条の二、第百三十四条の三、第百四十八条及び第百四十九条の規定は、拒絶査定不服審判には、適用しない。
・利害関係を有する者でも拒絶査定不服審判には参加できない。
・審判の併合は可能である。
・特134条4項は不準用である。
特許法162条
特許庁長官は、拒絶査定不服審判の請求があつた場合において、その請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正があつたときは、審査官にその請求を審査させなければならない。
・拒絶査定不服審判において拒絶査定が覆るものの大部分が、拒絶査定後に補正があったことによるので、拒絶査定をした審査官に審査させることによって審判官の処理件数を減らし、審査の迅速をはかるためである。
・先行技術文献の提出があったのみでは、前置審査に付されない。
・前置審査において、証拠調べはなされない。
・特許庁長官が審判請求書の方式をチェックし、方式が完備したものについて審査官(原則として拒絶査定をした審査官)に前置審査を命じる。審査官が適法な補正と判断したときは、補正後の内容で審査が行われ、拒絶査定を維持すべきと判断すれば、その旨を特許庁長官に報告する。特許すべきと判断すれば、拒絶査定を取消して特許査定をする。不適法な補正と判断したときは補正前の内容で審査が行われ、特許すべきと判断すれば、補正が却下され特許査定をする。拒絶査定を維持すべきと判断すれば、補正を却下せずにその旨を特許庁長官に報告する。
・延長登録出願に対する拒絶査定不服審判は対象外である。
・拒絶査定不服審判の請求時に補正の手続をした場合であっても、その手続が不適法であって、補正をすることができないものである場合は、その請求が前置審査に付されることはない。
特許法163条
第一項
第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は、前条の規定による審査に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第一号又は第三号」とあるのは「第十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第一号又は第三号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
・前置審査における補正要件違反は、審判移行後に補正却下となる。
・審判前の補正が前置審査時に新規事項の追加(補正の要件違反)と認められた場合であっても、補正却下の対象とはならない。但し、拒絶理由となるので、拒絶理由通知がなされる。
・審判時の補正が前置審査時に新規事項の追加と認められた場合、補正が却下され、拒絶理由通知は通知されない。
・前置審査時には合議体が構成されていないので、審判請求書の補正は特許庁長官が命令する。
・拒絶査定不服審判及び前置審査でも、特50条の2の通知を行うことができる。
第二項
第五十条及び第五十条の二の規定は、前条の規定による審査において審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第十七条の二第一項第一号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第三号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第四号に掲げる場合」と読み替えるものとする。
・前置審査において、審判の請求にかかる査定の理由と異なる拒絶理由の通知がなされる場合がある。
第三項
第五十一条及び第五十二条の規定は、前条の規定による審査において審判の請求を理由があるとする場合に準用する。
特許法164条
第一項
審査官は、第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。
・特許査定により、審判請求は消滅する。
・前置審査においては、審査に差し戻すことができない。
第二項
審査官は、前項に規定する場合を除き、前条第一項において準用する第五十三条第一項の規定による却下の決定をしてはならない。
・前置審査においては、特許査定の場合を除き補正却下ができない。
第三項
審査官は、第一項に規定する場合を除き、当該審判の請求について査定をすることなくその審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。
・新たな拒絶理由を発見し意見書提出機会を与えたが、拒絶理由が解消しなかった場合でも、報告しなければならない。
・特許査定をする場合、特許庁長官への報告は不要である。
特許法164条の2(特許無効審判における特則)
第一項
審判長は、特許無効審判の事件が審決をするのに熟した場合において、審判の請求に理由があると認めるときその他の経済産業省令で定めるときは、審決の予告を当事者及び参加人にしなければならない。
・審決において示した特許の有効性の判断を踏まえて訂正できるという利点を確保するために、審決の予告を設けた。
・審決の予告をするとき
@審判の請求があって審理を開始してから最初に事件が審決をするのに熟した場合。ただし、審決をするのに熟すまでに訂正の請求がされないか、訂正の請求がされた訂正がすべて認容と判断され且つ全ての請求項が有効と判断された場合のように、訂正の機会を与える必要が無いときは除く
A審決が取り消されて差し戻され、審理を開始してから最初に事件が審決をするのに熟した場合
・審決をするとき
@審決の予告をした後、再び事件が審決をするのに熟した場合。ただし、審判請求時に申し立てられていたが、先の審決の予告に判断を記載しなかった無効理由によって無効であるとの心証になった場合等、訂正の機会を与えることが適切な場合は除く
A被請求人から審決の予告が不要である旨の申し出があった場合
第二項
審判長は、前項の審決の予告をするときは、被請求人に対し、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求するための相当の期間を指定しなければならない。
第三項
第百五十七条第二項の規定は、第一項の審決の予告に準用する。
特許法165条(訂正審判における特則)
審判長は、訂正審判の請求が第百二十六条第一項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず、又は同条第五項から第七項までの規定に適合しないときは、請求人にその理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
・訂正が請求の範囲を拡張するものである場合は、意見書の提出機会を与えなければならない。
参考書・基本書
試験対策・勉強法
改正・判例解説
短答試験
過去問
論文試験
選択科目
選択科目の免除
口述試験
転職
リンク
メールはこちら
「独学の弁理士講座」TOPへ戻る