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特許法126-130条

 初学者の方は勉強を始める前に、特許庁HPで公開されている初心者向け知的財産権制度説明会のテキストを見て、知的財産権制度の概要を勉強して下さい。なお、地域におけるサービスに関する項目と、様式及び参考に関する項目は、読まなくとも結構です。
 以下、太字部が条文になります。小文字部が条文以外の暗記項目です。

特許法126条(訂正審判)

第一項

 特許権者は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすることについて訂正審判を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。

 ・特許発明の一部に瑕疵がある場合に、それを理由に無効理由を請求されるという攻撃に備え、瑕疵を自発的に取り除くためである。また、発明の保護を図るためである。
 ・発明者の訂正は出来ない。
 ・訂正審判には参加できない。
 ・専用実施権者は訂正審判を請求できない。
 ・請求項の項番号をずらす訂正は認められない。


第一号

 特許請求の範囲の減縮

 ・減縮及び誤記訂正においては独立特許要件を要求される。なお、特17条の2では、減縮のみ独立特許要件を要求される。
 ・請求項の削除などの特許請求の範囲の欄の実質的な減縮についても、「特許請求の範囲の減縮」として取り扱う。
 ・発明特定事項の直列的付加(いわゆる内的付加)でなければ補正が認められない特17条の2第5項第2号とは異なり、構成要件の直列的付加(いわゆる外的付加)も認められる。


第二号

 誤記又は誤訳の訂正

 ・減縮及び誤記訂正においては独立特許要件を要求される。

第三号

 明瞭でない記載の釈明

第四号

 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。

 ・一群の請求項として一体的に扱われないように審理が行われることを審判請求人が求める場合に必要だからである。

第二項

 訂正審判は、特許無効審判が特許庁に係属した時からその審決(請求項ごとに請求がされた場合にあつては、その全ての審決)が確定するまでの間は、請求することができない。

 ・複数の審判がある場合、他の審判が特許庁に係属している場合は訂正審判を請求できない。
 ・無効審判請求後、副本到達までの間は訂正審判を請求できる。つまり、特許庁に係属するのは副本が特許権者に到達した時からであり、請求された時からではない。
 ・審決取消訴訟提起後の特許庁と裁判所との間の事件の往復(キャッチボール現象)を解消するため、審決取消訴訟提起後の訂正審判の請求は禁止した。
 ・特許無効審判が請求項ごとに請求された場合に、一部の審決が確定しても訂正審判は請求できない。


第三項

 二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに第一項の規定による請求をすることができる。この場合において、当該請求項の中に一の請求項の記載を他の請求項が引用する関係その他経済産業省令で定める関係を有する一群の請求項(以下「一群の請求項」という。)があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない。

 ・一群の請求項の中で請求項毎に訂正の許否判断が分かれることを防止するためである。
 ・一群の請求項とは、一の請求項の記載を他の請求項が引用するような引用関係等があるものをいい、請求項の間の引用関係が親-子-孫というように再帰的(連鎖的)になされる場合、一対多の引用関係、多対一の引用関係、これらの引用関係を組み合わせた引用関係がある。


第四項

 願書に添付した明細書又は図面の訂正をする場合であつて、請求項ごとに第一項の規定による請求をしようとするときは、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項の全て(前項後段の規定により一群の請求項ごとに第一項の規定による請求をする場合にあつては、当該明細書又は図面の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全て)について行わなければならない。

 ・請求項毎に訂正審判を請求する場合に、明細書又は図面の訂正が複数の請求項に係る発明と関係する場合、関係する請求項の全てについて請求をしなければならない。
 ・特許請求の範囲に記載した文言自体を訂正していなくとも、明細書又は図面の訂正によって特許請求の範囲の減縮をする訂正に該当すると解されることがある。


第五項

 第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(同項ただし書第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願に係る特許にあつては、外国語書面))に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

 ・願書に添付した明細書等とは、特許された時点の明細書等(補正がある場合はそれが反映された明細書等)の意味である。

第六項

 第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。

第七項

 第一項ただし書第一号又は第二号に掲げる事項を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。

 ・明瞭でない記載の釈明以外の訂正においては独立特許要件を要求される。
 ・優先権主張した場合の独立特許要件の判断時期は、先の出願時である。
 ・補正の際に独立特許要件が求められるのは、特許請求の範囲の減縮の場合のみである。


第八項

 訂正審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。ただし、特許が特許無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

 ・特123条1項7号に該当して無効審決が確定したときでも、特許権が同号に該当するに至った時以前のものについては訂正審判を請求できる。また、再審により回復した場合も、訂正審判を請求できる。

特許法127条

 特許権者は、専用実施権者、質権者又は第三十五条第一項、第七十七条第四項若しくは第七十八条第一項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、訂正審判を請求することができる。

 ・職務発明による通常実施権者、特許権者の許諾又は専用実施権者の許諾による通常実施権者がいる場合は、承諾が必要である。
 ・承諾を欠くときは、審判長が補正命令を出し、違反が解消しないときは特133条3項に従い決定却下される。
 ・未登録の許諾による通常実施権者に対しても承諾が必要となる。
 ・放棄の条件と同じである。


特許法128条

第一項

 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書、特許請求の範囲又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。

 ・訂正すべき審決が確定するのは、審決謄本の送達があった時である。
 ・重複特許の場合は、一方が訂正することで両権利が適法に存続する。


特許法129条(削除)

特許法130条(削除)





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