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特許法111-120条

 初学者の方は勉強を始める前に、特許庁HPで公開されている初心者向け知的財産権制度説明会のテキストを見て、知的財産権制度の概要を勉強して下さい。なお、地域におけるサービスに関する項目と、様式及び参考に関する項目は、読まなくとも結構です。
 以下、太字部が条文になります。小文字部が条文以外の暗記項目です。

特許法111条(既納の特許料の返還)

第一項

 既納の特許料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。

 ・特許料の返還請求には、手数料が不要である。

第一号

 過誤納の特許料

第二号

 特許を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料

 ・無効になった場合は、初めからなかったものとされる。しかし、無効になるまでの間は独占権を行使して利益を享受してきた場合も少なくないため、無効確定後の特許料のみが返還される。
 ・訂正、放棄の場合は特許料が返還されない。
 ・特185条(二以上の請求項に係る特許又は特許権についての特則)で挙げられているため、請求項毎に返還される。


第三号

 特許権の存続期間の延長登録を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料(当該延長登録がないとした場合における存続期間の満了の日の属する年の翌年以後のものに限る。)

 ・審決確定の年以降の特許料であっても、延長登録がないとした場合の特許権の存続期間に係る特許料は返還しない。つまり、満了の日の属する年までの特許料は返還されない。

第二項

 前項の規定による特許料の返還は、同項第一号の特許料については納付した日から一年、同項第二号及び第三号の特許料については審決が確定した日から六月を経過した後は、請求することができない。

特許法112条(特許料の追納)

第一項

 特許権者は、第百八条第二項に規定する期間又は第百九条の規定による納付の猶予後の期間内に特許料を納付することができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその特許料を追納することができる。

 ・1〜3年分の特許料の納付は追納できない。但し、猶予がなされれば追納できる。
 ・利害関係人であっても追納できる。
 ・追納期間内に不納の場合、6月の間は特許権が一応存在し、納付期間経過のときにさかのぼって消滅したとみなされる、又は、初めから存在しなかったとみなされる。


第二項

 前項の規定により特許料を追納する特許権者は、第百七条第一項の規定により納付すべき特許料のほか、その特許料と同額の割増特許料を納付しなければならない。

 ・同時に納付する必要はない。

第三項

 前項の割増特許料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。

第四項

 特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に、第百八条第二項本文に規定する期間内に納付すべきであつた特許料及び第二項の割増特許料を納付しないときは、その特許権は、同条第二項本文に規定する期間の経過の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。

 ・存続特許料不納の効果を規定している。具体的には、4年目以降の特許料支払い期間経過時に遡及消滅する。

第五項

 特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に第百八条第二項ただし書に規定する特許料及び第二項の割増特許料を納付しないときは、その特許権は、当該延長登録がないとした場合における特許権の存続期間の満了の日の属する年の経過の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。

 ・延長登録料不納の効果を規定している。具体的には、満了の日の属する年の経過の時に遡及消滅する。
 ・満了の日の属する年の経過の時であるので、満了日ではない。満了日の属する年の登録日に対応する日までは特許料が支払われており、且つ延長登録自体に瑕疵がないからである。
 ・例えば、登録日を(2005/5/16)とすると、満了日は(2010/11/25)であり、満了する日の属する年の経過の時は(2011/5/16)である。


第六項

 特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に第百九条の規定により納付が猶予された特許料及び第二項の割増特許料を納付しないときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。

 ・猶予特許料不納の効果を規定している。具体的には、1〜10年分の特許料も支払われていないので、そもそも特許権が発生しなかったとみなされる。

特許法112条の2(特許料の追納による特許権の回復)

第一項

 前条第四項若しくは第五項の規定により消滅したものとみなされた特許権又は同条第六項の規定により初めから存在しなかつたものとみなされた特許権の原特許権者は、同条第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に同条第四項から第六項までに規定する特許料及び割増特許料を納付することができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内でその期間の経過後一年以内に限り、その特許料及び割増特許料を追納することができる。

 ・1〜3年分の特許料の納付は追納できない。但し、猶予がなされれば追納できる。
 ・追納期間経過後は、正当な理由があり、特許料及び割増特許料を追納しなければ回復できない。
 ・万全の注意力を払っても納付期間を徒過せざるを得なかった場合等の主観的理由も含まれる。しかし、特許権者の多忙や代理人の過失により納付できなかった場合は含まれない。
 ・追納できるの原特許権者のみである。
 ・正当な理由がある場合でも、利害関係人は回復理由書の提出の手続をすることができない。


第二項

 前項の規定による特許料及び割増特許料の追納があつたときは、その特許権は、第百八条第二項本文に規定する期間の経過の時若しくは存続期間の満了の日の属する年の経過の時にさかのぼつて存続していたもの又は初めから存在していたものとみなす。

 ・特許権の回復は特許原簿への登録事項であるが、回復の効力は追納により発生する。

特許法112条の3(回復した特許権の効力の制限)

第一項

 前条第二項の規定により特許権が回復した場合において、その特許が物の発明についてされているときは、その特許権の効力は、第百十二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。

 ・特許料の納付期間経過後であっても、追納可能期間内(期間の経過後6月以内)の実施であれば侵害に該当する。
 ・追納により特許権が回復した場合、みなし消滅後、回復の登録までの実施についての通常実施権(後用権)は認められない。追納できる期間が短く、通常実施権を認める意義に乏しいからである。
 ・物の発明についてとあるので、生産方法の発明により生産された物にも効力が及ぶ。再審により回復した場合と同様である。但し、善意は要求されない。第三者が回復されることを知って悪意で実施する場合は想定し難いからである。


第二項

 前条第二項の規定により回復した特許権の効力は、第百十二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。

 ・追納期間の経過後であり、納付期間の経過後ではない。また、回復前ではなく回復の登録の前である。
 ・善意は要求されていない。


第一号

 当該発明の実施

 ・生産方法の発明により生産された物を輸入する行為は、発明の実施に当たる。

第二号

 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為

第三号

 特許が物の発明についてされている場合において、その物を譲渡等又は輸出のために所持した行為

第四号

 特許が方法の発明についてされている場合において、その方法の使用に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為

 ・間接侵害行為である。

第五号

 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産した物を譲渡等又は輸出のために所持した行為

特許法113条(削除)

特許法114条(削除)

特許法115条(削除)

特許法116条(削除)

特許法117条(削除)

特許法118条(削除)

特許法119条(削除)

特許法120条(削除)





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