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特許法11-15条

 初学者の方は勉強を始める前に、特許庁HPで公開されている初心者向け知的財産権制度説明会のテキストを見て、知的財産権制度の概要を勉強して下さい。なお、地域におけるサービスに関する項目と、様式及び参考に関する項目は、読まなくとも結構です。
 以下、太字部が条文になります。小文字部が条文以外の暗記項目です。

特許法11条(代理権の不消滅)

 手続をする者の委任による代理人の代理権は、本人の死亡若しくは本人である法人の合併による消滅、本人である受託者の信託に関する任務の終了又は法定代理人の死亡若しくはその代理権の変更若しくは消滅によつては、消滅しない。

 ・期間内にすべき手続きについて代理人が手続きしたところ、本人の死亡により代理権が消滅していたために手続きが無効となる場合等が問題となるからである。一方、代理権が消滅しないものとしても、委任範囲が明確であるので、相続人等が不測の損害を蒙ることは無い。
 ・本条は委任代理人にのみ適用される。法定代理人は本人との特殊な人間関係においてむすばれているものだからである。
 ・法人の合併による消滅は、設立合併又は吸収合併のいずれでもよい。
 ・法定代理人の代理権の変更とは、その代理権の一部が消滅した場合などをいう。例えば、民835条の管理権の喪失である。
 ・法定代理人が委任した代理人は本人の委任による代理人である。
 ・法定代理人の代理権は本人の死亡により消滅する。


特許法12条(代理人の個別代理)

 手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。

 ・二人以上の代理人のうち一人が特許庁に対して手続すれば、本人がしたと同様の効果が生じる。また、特許庁からする手続きについても一人にすれば、本人に対してしたと同様の効果を生ずる。
 ・本人が二人以上の代理人の共同代理によってのみ代理されるべき旨の定めをしても手続上は無効である。つまり、本項は強行規定である。
 ・実2条の5で準用している。


特許法13条(代理人の改任等)

第一項

 特許庁長官又は審判長は、手続をする者がその手続をするのに適当でないと認めるときは、代理人により手続をすべきことを命ずることができる。

 ・実2条の5で準用している。
 ・「代理人により」とは、代理人が本人の名で手続きをすることを意味する。


第二項

 特許庁長官又は審判長は、手続をする者の代理人がその手続をするのに適当でないと認めるときは、その改任を命ずることができる。

第三項

 特許庁長官又は審判長は、前二項の場合において、弁理士を代理人とすべきことを命ずることができる。

第四項

 特許庁長官又は審判長は、第一項又は第二項の規定による命令をした後に第一項の手続をする者又は第二項の代理人が特許庁に対してした手続を却下することができる。

 ・手続をする者又はその代理人が手続をするのに適当でない場合でも、それが同じことの繰り返しでなく、且つ、本人に不利益が及ばないような場合は、裁量で有効なものとして取り扱うことができる。
 ・命令前の手続きを却下することはできない。


特許法14条(複数当事者の相互代表)

 二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。

 ・所定の手続き以外は各共有者が単独で行えるが、代表者を定めた場合は、所定の手続き以外は代表者が行う旨を規定している。
 ・代表者は二人以上であっても良い。
 ・本項は出願後の手続きを規定しており、出願に関しては特38条、審判に関しては特132条に規定されている。
 ・特9条と相違するのは、複代理人の選任、特許権の放棄、特46条の2第1項の規定による出願が規定されていないことである。また、特38条により単独で分割出願も出来ない点が異なる。なお、特38条により、実用新案登録に基づく特許出願も単独で出来ない。
 ・補正、秘密意匠の秘密期間の短縮は単独でもできる。
 ・手続は1人がすれば有効であり、特許庁からの手続きも1人に対してすれば有効である。
 ・拒絶理由通知に対する対応は各人ができる。しかし、拒絶査定不服審判は単独ではできない。固有必要的共同訴訟であり、審決は合一にのみ確定すべきであるからである。
 ・実2条の5で準用している。


特許法15条(在外者の裁判籍)

 在外者の特許権その他特許に関する権利については、特許管理人があるときはその住所又は居所をもつて、特許管理人がないときは特許庁の所在地をもつて民事訴訟法 (平成八年法律第百九号)第五条第四号 の財産の所在地とみなす。

 ・特許権については、権利者が在外者であることも多く、無体財産権であるために財産の所在地もないので、裁判籍を規定する必要があるからである。なお、在外者とは日本国内に住所も居所も有しない者をいう。
・「特許に関する権利」とあるので、専用実施権、通常実施権、質権にも適用される。





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