論文の書き方は人それぞれであり、問題によっても異なります。下記内容は、必要最小限にまとめてあり、これだけを書けば合格点が付くというものではありません。ですので、あくまで論文のまとめ方の参考としてお使い下さい。
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訂正審判(特126条)
訂正審判とは、特許権設定登録後に行う明細書等の訂正の可否について、合議体の審判官が審理判断する準司法的制度をいう(特126条)。
一部の瑕疵によって全体が無効となることは、権利者に酷である。また、明細書等の不明瞭な部分を是正する手段を認めることが好ましい。そこで法は、第三者に不利益を与えない一定の範囲で訂正を認め、厳格な審判手続により審理することとした(特126条)。
請求人適格
特許権者のみが請求できる(特126条1項)。特許権が共有に係る場合は、共有者全員で行う必要がある(特132条3項)。また、専用実施権者等の承諾を要する(特127条)。
請求の対象
特許権設定登録時の明細書等が対象となる。但し、既に訂正があったものについては訂正後の明細書等が対象となる。
請求の期間
@特許権の存続期間中だけでなく、消滅後もできる(特126条5項本文)。
A原則として、無効審判が特許庁に継続したときから審決が確定するまでの間は、請求できない(特126条2項)。迅速且つ効率的な審理のために、訂正の請求(特134条の2)が認められているからである。但し、特許無効審判の審決に対する訴えの提起があつた日から起算して90日の期間内は請求できる(特126条2項但書)。
B無効審判により無効とされた後は請求できない(特126条6項但書)。これを認めると再審事由となる場合があり、制度が複雑になるからである。但し、後発的無効の場合は請求できる。
訂正の範囲
@訂正は、特許請求の範囲の減縮、誤記又は誤訳の訂正、明りょうでない記載の釈明の目的に限られる(特126条1項)。また、特許請求の範囲の減縮及び誤記又は誤訳の訂正を目的とする訂正の場合、訂正後の発明が出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない(特126条5項)。
A訂正は実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものであってはならない(特126条4項)。実質上の拡張又は変更には、明細書の記載を訂正し、特許請求の範囲を拡張又は変更すること等も含まれる。なお、明らかな誤記の訂正であっても、特許請求の範囲を拡張するものである場合は訂正が認められない。訂正の効果は出願時に遡及するので、特許請求の範囲の表示を信頼する第三者の利益を害するからである。
訂正の手続き
訂正請求書に訂正明細書等を添付して提出し(特131条3項)、所定の手数料を納付することを要する(特195条2項)。
訂正の審理
@方式審理は審判長が行う(特133条等)。方式違反があったときは補正命令がなされ(特133条1項,2項)、期間内に補正しないときは、請求棄却の決定がされ得る(特133条3項)。適法性審理(特135条)、実体審理は審判官の合議体が行う(特136条)。一定の場合、審判官に対する除斥又は忌避が認められる(特139条〜特144条)。
A方式審理、適法性審理(特133条,特133条の2,特135条)の後、訂正要件を満たすか否かについて実体審理される。
B実体審理は書面審理を原則とし(特145条)、審決の対世的効力に鑑み職権主義が採用される(特152条,特153条)。
C訂正の要件不備の場合は、請求人に意見書提出の機会が認められる(特165条)。また、請求の要旨を変更しない範囲で、訂正明細書等の補正が認められる(特17条の4第2項)。
D要件具備の場合、結審通知の後に訂正認容審決がなされる。
E原則として、結審通知後に請求認容又は請求棄却の審決により終了するが(特156条,特157条)、却下審決(特135条)、請求却下の決定(特133条)、請求の取下(特155条)により終了する場合もある。
訂正の効果
認容審決は審決謄本送達と共に確定し、棄却審決は不服申し立て手段が尽きたときに確定する。
@認容審決が確定したときに、訂正明細書等により特許出願、出願公開、特許査定又は審決、特許権の設定登録がなされたものと擬制される(特128条)。
A棄却審決確定により、もとの明細書等のまま取り扱われる。請求人は、不服申し立て手段として審決取消訴訟を提起できる(特178条)。また、一事不再理は適用されないので、訂正審判を再度請求できる。
B確定審決に対する非常の不服申し立て手段として、再審がある(特171条)。
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