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 論文の書き方は人それぞれであり、問題によっても異なります。下記内容は、必要最小限にまとめてあり、これだけを書けば合格点が付くというものではありません。ですので、あくまで論文のまとめ方の参考としてお使い下さい。
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商品役務

 商品とは、流通過程にのせて取引対象とすることができ且つある程度量産可能な物をいい、役務とは、他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的足りうべきものをいう。


商品

 @一般的には有体物であり、無体物である電気、光、熱等は商品とはなりえない。また、液体や気体も、ボンベやビンに収めなければ商品とはならない。しかし、プログラムは無体物であるが、電磁的方法により映像面に商標を表示することができるため商品となり得る。
 A有体物である場合は、動産であることを要する。土地、建物のような不動産は運搬不可能であり、流通過程に乗せられないからである。但し、一定要件を満たす分譲マンションなどや建て売り住宅等の不動産は商品に該当する。
 B取引対象となることを要する。付された商標が自他商品識別機能を発揮し得ないからである。よって、宣伝目的で配布されるマッチや自家消費のための産品等は商品ではない。
 C流通過程にのるものでなければならない。流通過程にのってこそ商標の諸機能を発揮するからである。よって、レストランで提供される料理そのものや、カップに注がれたコーヒー等は商品ではない。
 Dある程度の量産性を要する。量産できなければ業務上の信用が化体しないからである。よって、一品製作物たる骨董品や絵画等は商品ではない。


役務

 @他人のために行う労務又は便益であることを要する。よって、家庭内での活動、社員に対して行う活動は、役務ではない。なお、労務又は便益とは、サービスのことであり、新聞による広告、預金の預け入れ、旅客者による輸送、宿泊施設の提供、飲食物の提供等である。また、病院や学校等の非営利事業であっても役務に該当する。
 A独立して商取引の目的となり得ることを要する。独立して商取引の対象とならなければ、商標の自他役務識別機能を発揮しないからである。よって、商品販売の際に包装紙で包むサービスや、注文料理の出前等は、役務に該当しない。
 B役務には、小売及び卸売の業務においてる顧客に対する便益の提供が含まれる(商2条2項)。小売業者により使用される商標は、小売業者等によるサービス活動の出所を表示しているものといえ、その事業活動により獲得されるブランド価値は、当該サービスとの関係で蓄積されるので商標法による直接的な保護が必要とされており、H18年改正により役務に含められたからである。なお、小売等役務とは、小売又は卸売の業務において行われる総合的なサービス活動をいうが、商品の販売行為は含まれない。例えば、百貨店、卸問屋等の小売業、卸売業や、カタログ、テレビやインターネットを利用した通信販売が対象となる。


法上の取り扱い

 @願書には、指定商品又は指定役務を記載する(商5条1項3号,商6条1項)。
 A商品又は役務の指定は、商品及び役務の区分に従ってしなければならない(商6条2項)。
 B指定商品又は指定役務の記載がない場合、補完命令の対象となる(商5条の2第2項第4号)。
 C商品及び役務は、登録要件の判断基準となり、使用意思(商3条1項柱書)、自他商品等識別力(同各号)、不登録事由(商4条等)、先後願(商8条)が判断される。法上の商品又は役務と認められない場合、商3条1項柱書違反として拒絶される(商15条)。
 D指定商品等が二以上あるときは、出願分割をすることができる(商10条)。
 E補正を行った場合、要旨変更か否かの判断対象となる。
 F商標権の効力範囲を決定する基準となり、指定商品又は指定役務と同一の範囲に専用権が(商25条)、類似範囲に禁止権が(商37条1号)、認められる。指定商品又は指定役務の範囲は、願書の記載に基づいて定められる(商27条2項)。
 G指定商品等が二以上ある場合、指定商品又は指定役務毎に分割、移転が可能である(商24条,商24条の2)。
 H指定商品等と非類似の商品又は役務について、一定要件の下で防護標章登録を受ける事ができる(商64条)。
 I指定商品等について使用権を設定できる(商30条,商31条)。


不動産と商品

 分譲マンションや建売住宅は不動産であるが、略同等の条件を備えたものが多数供給され得るものである。よって、市場における販売に供されることを予定して生産され、市場において取引される有体物であると認めることができ、これに付された標章によってその出所が表示される性質を備えていると解される。従って、これらは、商標法によって保護されるべき商品に該当するものと解される。




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