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 論文の書き方は人それぞれであり、問題によっても異なります。下記内容は、必要最小限にまとめてあり、これだけを書けば合格点が付くというものではありません。ですので、あくまで論文のまとめ方の参考としてお使い下さい。
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補正(意60条の3)

 補正とは、願書又は図面等の内容を、補充訂正する手続きのことをいう(意60条の3)。
 出願書類は出願当初より完全であることが望ましいが、先願主義の下(意9条)出願を急ぐあまり瑕疵を生ずる場合もある。かかる場合に一切補正を認めないのでは出願人に酷である。他方、無制限に補正を認めると、第三者の利益を不当に害するおそれがある。
 そこで法は、所定期間であり且つ意匠の要旨を変更しない範囲に限り、補正を認めることにより出願人の利益と第三者の利益との調和を図っている(意60条の3,意17条の2等)。


主体的要件

 出願人のみが補正できる(意60条の3)。また、不利益行為ではないため、共同出願の場合は各人が単独で補正できる(準特14条)。


客体的要件

 @出願意匠の要旨を変更しない範囲で補正できる(意17条の2第1項)。要旨変更補正を認めると、補正の遡及効によって第三者に不測の不利益を与えるからである。なお、願書又は図面に加えられる補正は、意匠の同一性が保たれる範囲であれば、要旨の変更ではないと解される。第三者に不測の不利益を与えないからである。
 A要旨変更の判断基準。補正が要旨変更であるか否かの判断は、出願当初と補正後の願書及び図面等の記載について総合的に判断することによって行う。
 a.当業者が、出願当初の願書の記載及び添付した図面等の記載から直接的に導き出せる意匠の内容を意匠の要旨という。
 b.出願当初の願書の記載及び添付した図面等の記載に基づいて当業者が当然に導き出せる同一の範囲を超えて補正した場合、又は出願当初不明であった意匠の要旨を明確なものとする補正は、要旨変更に該当する。
 c.意匠の要旨の認定に影響を及ぼさない程度の微細な部分の記載不備を不備のない記載とする補正は、要旨変更とはならない。
 d.意匠に係る物品に対する補正については、総合的に判断した場合に、物品の区分を当然に導き出せることができる同一の範囲を超えて変更するか否かによって判断する。
 e.意匠の説明に対する補正については、総合的に判断した場合に、追加した記載により具体的な意匠を導き出すことができるか否かによって判断する。
 f.意匠に係る物品の説明については、総合的に判断した場合に、使用の目的、使用の状態等に基づく用途や機能が明確な物品を導き出すことができるものであるか否かによって判断する。
 g.図面に対する補正ついては、総合的に判断した場合に、当然に導き出せることができる同一の範囲を超えて、物品の形状などを変更するか否かによって判断する。


時期的要件

 出願が審査、審判又は再審に係属している場合に限り補正できる(意60条の3)。


手続的要件

 手続補正書を提出することを要する(準特17条4項)。


法上の取り扱い

 @適法な補正の場合、補正後の内容で出願したものとして審査、審理がなされる。
 A不適法な補正の場合、登録査定謄本送達前に認定されれば、補正却下となる(意17条の2第1項)。登録後に認定されれば、出願時が手続補正書提出時に繰り下がる(意9条の2)。
 B補正可能な時期を徒過した補正は、弁明書提出機会を与えられた後に(準特18条の2第2項)、却下処分となる(準特18条の2第1項)。




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