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民事訴訟法−共同訴訟−

 特定侵害訴訟代理業務試験(いわゆる付記試験)のための備忘録です。
 内容の正確性は保証いたしませんので、そのつもりでご覧ください。

共同訴訟

 共同訴訟とは、一の訴訟手続きに複数の原告又は被告、すなわち共同訴訟人が関与する訴訟形態をいう。

通常共同訴訟

 通常共同訴訟とは、各共同訴訟人と相手方との間に、所定の関連性(民訴38条)がある場合に、便宜上共同訴訟とすることが認められる場合である。
 併合できる場合は以下の通りである。なお、客観的併合要件(民訴136条)を満たす必要がある。具体的には、各請求が同種手続きによることができ、且つ、併合が禁じられておらず、各請求について受訴裁判所が管轄権を持つことを要する。
 @権利共通又は義務共通の場合(例えば、数人の連帯債務者に対する債務の弁済請求である。)
 A原因共通の場合(例えば、共同不法占拠者に対する明け渡し請求である。)
 B権利義務同種の場合(例えば、複数の賃借人に対する明け渡し請求である。)


通常共同訴訟の管理方式

 各共同訴訟人は、他の共同訴訟人の訴訟追行に制約されず、それぞれ独自に訴訟を追行しその効果を受ける(民訴39条)。具体的には、各共同訴訟人は、独自に、請求の放棄、認諾、和解、訴えの取下げ、自白、上訴をすることができる。また、その効果は他の共同訴訟人には及ばない。また、共同訴訟人の一人につき中断・中止あるいは期日不出頭の効果を生じても、他の共同訴訟人には影響しない。また、一部判決をすることもできる。ただし、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、他の共同訴訟人が援用しておらずとも、その者の主張する事実の認定のための資料となりうる。

必要的共同訴訟

 必要的共同訴訟とは、判決の合一確定が要求される共同訴訟をいい、類似必要的共同訴訟と固有必要的共同訴訟がある。この場合、共同訴訟人の一人のなした訴訟行為は、共同訴訟人全員につき有利なもの(例えば、事実の否認、抗弁、証拠提出、上訴など)は全員に効力を生じる。一方、不利なもの(例えば、請求の放棄、認諾、和解、自白、上訴の取下げ、相手方の訴え取下げに対する同意など)は他の共同訴訟人はもとより行為者についても効力を生じない(民訴40条1項)。
 また、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、その有利不利に拘わらず全員に効力が生じる(民訴40条2項)。
 また、共同訴訟人の一人につき中断・中止の事由を生じると、手続きは全員につき停止される(民訴40条3項)。
 また、裁判所は弁論を分離することは許されず、一部判決も許されない。


類似必要的共同訴訟

 類似必要的共同訴訟とは、全員が共同訴訟人として訴えを提起することが不可欠ではなく、一部の者のみで訴えを提起することも許されるが、合一確定の必要から必要的共同訴訟の原則が適用される共同訴訟をいう。具体的には、共同訴訟人の一人の受けた判決の規範力が他の共同訴訟人に及ぶ場合、例えば、数人の株主が提起する株主総会決議取り消しの訴えである。

固有必要的共同訴訟

 数人が共同して初めて当事者適格が認められる共同訴訟をいい、以下の場合がある。
 @他人間の権利関係の変動を結果する形成訴訟の場合(例えば、婚姻取り消しの訴えは、夫婦を被告とする。)
 A数人が共同してのみ管理処分すべき財産に関する訴訟の場合(例えば、破産管財人が複数いる場合である。)
 B共同所有関係に関する訴訟の場合(例えば、合有組合財産に関する訴訟である。)


その他

 特許権等の共有者は、自己の持分権に基づいて、単独で侵害差止又は損害賠償の訴訟を提起できる。


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