以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。
また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供している
オリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。
H29年短答意匠問09
意匠イに係る意匠権Aを有する甲は、意匠イに類似する意匠に係る物品Xを、業として日本国内において販売し、輸出している乙に対し、意匠権Aの侵害を理由とする物品Xの販売の差止め及び損害賠償を求める訴えを提起することを検討している。次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、いずれの場合も意匠権について、専用実施権の設定をしていないものとする。
枝1
甲は、その訴えにおいて、物品Xの販売の差止めを請求することなく、乙が日本国内に所在する乙の倉庫に保管している物品Xの廃棄と損害賠償のみを請求することができる。
解答
× 意33条2項に記載の通り。侵害の停止又は予防を請求をするに際し、侵害の行為を組成した物の廃棄を請求することができるので、差止めを請求することなく廃棄を請求することはできない。
枝2
意匠イは、秘密請求期間を意匠権Aの設定登録の日から平成28年12月31日までとする秘密意匠であったが、秘密請求期間が経過し、平成29年1月31日に、意匠公報に掲載された。甲が平成29年1月1日から平成29年4月30日までの期間になされた乙の販売行為を対象として損害賠償を請求する場合、全期間にわたる当該販売行為について、乙に過失があったことが意匠法上推定される。
解答
× 意40条解説参照。秘密期間中の実施は過失が推定されない。
枝3
乙が、物品Xの日本国内での販売を停止し、輸出して海外で販売するために物品Xを日本国内に所在する乙の倉庫に保管している場合、甲は、当該保管行為の差止めを求めることはできない。
解答
× 意38条2号に記載の通り。登録意匠に類似する意匠に係る物品を業としての輸出のために所持する行為は、間接侵害として差止めを求めることができる。
枝4
甲は、裁判所に対し、乙を被告として、意匠権Aの侵害を理由とする物品Xの販売の差止め及び損害賠償の支払いを求める訴えを提起した後であっても、意匠イに類似する意匠の範囲について、特許庁に対し、判定を求めることができる。
解答
○ 意25条参照。判定の請求時期を制限する規定はない。
枝5
甲は、意匠イを本意匠とする関連意匠ロを出願し、関連意匠ロについても意匠登録を受け、意匠権Bを保有している。乙が、関連意匠ロには類似するが、本意匠である意匠イには類似しない意匠に係る物品Yを販売している場合、甲は、意匠権Bの侵害を理由として物品Yの販売の差止めを請求することはできない。
解答
× 意10条1項解説参照。関連意匠とは、バリエーションの意匠について各々の意匠について権利行使することを可能とするものであり、関連意匠の侵害を理由として販売の差止めを請求することはできる。
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