以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。
また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供している
オリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。
H29年短答特実問16
特許法に規定する実施権に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
以下において、特許権Aの権利者である甲は、特許権Aについて乙に専用実施権を設定し、その専用実施権の設定の登録がされ、その後、乙は、その専用実施権につき、甲の承諾を得て、丙に通常実施権を許諾したものとする。
枝1
(イ) 甲が、特許権Aを放棄するためには、乙の承諾とともに丙の承諾を得る必要がある。
解答
○ 特97条1項に記載の通り。特許権者は、専用実施権者、特77条4項の規定による通常実施権者(専用実施権についての通常実施権者)があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その特許権を放棄することができる。
枝2
(ロ) 乙が、その専用実施権を実施の事業とともに第三者に譲渡する場合には、甲の承諾を得る必要はないが、丙の承諾を得る必要はある。
解答
× 特77条3項に記載の通り。専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができ、通常実施権者の承諾は要件とされていない。
枝3
(ハ) 特許権Aにつき、丁が、先使用による通常実施権を有する場合、丁の通常実施権は、乙に対してもその効力を有する。
解答
○ 特99条に記載の通り。通常実施権は、その発生後にその特許権についての専用実施権をその後に取得した者に対しても、その効力を有する。
枝4
(ニ) 丙は、実施の事業とは切り離してその通常実施権を第三者に譲渡するためには、乙の承諾を得ればよい。
解答
× 特94条1項に記載の通り。専用実施権についての通常実施権にあっては、特許権者及び専用実施権者の承諾を要する。
枝5
(ホ) 乙は、丙への通常実施権の許諾契約を解除した上で甲から特許権Aを譲り受け、この移転について登録をした。その後、乙は、第三者に特許権Aを譲渡し、この移転は登録された。この場合、乙は、なお特許権Aについての専用実施権を有している。
解答
× 特98条1項2号参照。甲から特許権Aを譲り受けると、専用実施権は混同により消滅する。
解説
(イ)と(ハ)が○なので、2の2つが正解。
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