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 また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供しているオリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。

H29年短答特実問02

 特許法第29 条の2(いわゆる拡大された範囲の先願)又は第39 条(先願)に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
 ただし、特に文中に示した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際出願に係る特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、取下げ、放棄又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張は取り下げられていないものとする。
 なお、特に文中に示した場合を除いて、発明については、いずれも出願人が自らした発明とする。


枝1

 (イ) 甲は、発明イについて特許出願Aをした後、出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ及びロについての特許出願Bをし、その後、出願Bを分割して発明イについて新たな特許出願Cをした。乙は、発明イについて出願Bの出願の日後であって出願Cの出願の日前に特許出願Dをした。この場合、出願A及びBについて出願公開がされなくとも、出願Cについて出願公開がされたときは、出願Dは出願Bをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合がある。

 解答
 × 特44条2項の解説参照。分割出願のいわゆる拡大先願の地位は現実の出願日を基準に発生するので、出願Dが出願Cの公開によっていわゆる拡大された範囲の先願として拒絶される場合はない。

枝2

 (ロ) 発明イ及びロについての特許出願Aの出願後、出願Aを分割して発明ロについて新たな特許出願Bをした場合、出願Bは、出願Bに係る発明ロに関して、特許法第39条の規定により特許を受けることができるか否かを判断する場合においては出願Aの出願の日になされたものとみなされ、同法第29条の2の規定により同判断をする場合においては出願Bの出願の日になされたものとみなされる。

 解答
 × 特44条2項に記載の通り。新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされるので、いわゆる拡大先願により特許を受けることができるか否かを判断する場合においても、もとの特許出願の時に出願されたものとみなされる。

枝3

 (ハ) 甲は、発明イ及びロについて外国語書面出願Aとして出願したが、その出願Aの、特許法第36条の2第8項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた翻訳文には発明イが記載されていなかったので、甲は、その後、誤訳訂正書を提出して発明イを明細書に追加する補正をした。乙は、発明イについての特許出願Bを、出願Aの出願の日後であって出願Aの出願公開前にした。
 この場合、出願Aが出願公開されても、出願Bは、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶されない。


 解答
 × 特29条の2の解説参照。外国語書面出願の場合は、外国語書面の範囲でいわゆる拡大先願の地位が発生する。

枝4

 (ニ) 甲は、発明イについて特許出願Aをした後、出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ及びロについての特許出願Bをし、さらに出願A及びBを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ、ロ及びハについての特許出願Cを出願Aの出願の日から1年以内にした。乙は、発明イについての特許出願Dを、出願Bの出願の日後であって出願Cの出願の日前にした。出願Cが出願公開されたとき、出願Dは、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として拒絶されることはない。

 解答
 × 特41条3項の解説参照。優先権主張を伴う出願の当初明細書等に記載された発明のうち基礎出願の当初明細書等に記載されていた発明については、優先権主張を伴う出願が出願公開された時に、基礎出願が出願公開されたものとみなして、いわゆる拡大先願の地位が発生する。したがって、出願Cの基礎出願Aに記載された発明イは、出願Cが出願公開された時に出願公開されたものとみなして、いわゆる拡大先願の地位が生じる。

枝5

 (ホ) 甲は、自ら発明したわけでもなく、特許を受ける権利も承継していない発明イについて特許出願Aをした。乙は、自らした発明イについて特許出願Bを、出願Aの出願の日後であって出願Aの出願公開前に行った。その後、出願Aが出願公開された場合であっても、出願Aがいわゆる拡大された範囲の先願であることを理由として、出願Bが拒絶されることはない。
 ただし、乙は、出願Bの出願を行った時点で、出願Aの特許を受ける権利を承継していない。


 解答
 × 特29条の2の解説参照。いわゆる拡大先願は同一発明者には適用されないので、冒認出願の場合は真の発明者に対しては適用されない。しかし、第三者に対しては適用されるので、出願Aに係る発明イの発明者が乙以外の第三者であれば、出願Bが拒絶されることはある。


 解説
 すべて×なので、5のなしが正解。





オリジナルレジュメ

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