よろしければ、ご意見、ご質問等をこちらへお寄せ下さい
独学の弁理士講座掲示板

メールはこちら



当サイトは
 リンクフリーです。

All Rights Reserved.




 以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。
 また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供しているオリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。

H28年短答特実問20

 特許法第29条の2(いわゆる拡大された範囲の先願)及び第39条(先願)に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
 ただし、特に文中に記載した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張は取り下げないものとする。


枝1

 (イ) 甲は、自らした発明イ及び発明ロについて、平成26年6月1日に特許出願Aをし、乙は、自らした発明イについて、平成26年7月1日に特許出願Bをした。その後、甲は平成26年8月1日に出願Aの一部を分割して発明イに係る新たな特許出願Cをし、その後、出願A及び出願Cは出願公開された。この場合、出願A及び出願Cは、いずれも、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有する。

 解答
 × 特29条の2解説参照。分割出願にかかる出願は現実の出願日で拡大先願の地位を取得するので、出願Cは、出願Bに対していわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有さない。

枝2

 (ロ) 企業Xと企業Yは、発明イについて共同で特許出願Aをした。その後、企業Yは出願Aが出願公開される前に発明イについて特許出願Bをし、その後、出願Aが出願公開された。この場合に、出願Aは、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有しないこともある。

 解答
 ○ 特29条の2かっこ書に記載の通り。同一発明者には適用されないので、いわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有しないこともある。

枝3

 (ハ) 甲は、特許請求の範囲に自らした発明イのみを記載し、願書に最初に添付した明細書には、発明イとともに自らした発明ロを記載して平成27年6月1日に特許出願Aをした。乙は、自らした発明ロについて、平成27年7月1日に特許出願Bをした。その後、甲は平成27年8月1日に出願Aの一部を分割して発明ロに係る新たな特許出願Cをし、その後、出願Aは出願公開されることなく取り下げられた。この場合、出願Bは、出願Cで拒絶されることはない。

 解答
 × 特44条2項に記載の通り。分割出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされるので、出願Bと出願Cの特許請求の範囲に発明ロが記載されていれば、出願Bは特39条で拒絶される。

枝4

 (ニ) 甲は、自らした発明イについて、平成26年2月2日に特許出願Aをし、平成26年12月9日に出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ、発明ロ及び発明ハに係る特許出願Bをした。その後、甲は、平成27年1月29日に出願Bのみを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う発明イ、発明ロ及び発明ニに係る特許出願Cをした(ただし、出願Cの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には発明ハに係る事項は記載されていない。)。乙は、平成27年1月15日に自らした発明イ及び発明ハについて特許出願Dをした。この場合、出願Cについて出願公開がされたとき、出願Dは、出願Bが特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されることはない。

 解答
 ○ 実41条3項解説参照。優先権の累積的主張に係る発明イについては、出願公開擬制されず、いわゆる拡大された範囲の先願であるとして拒絶されることはない。

枝5

 (ホ) 外国語でされた国際特許出願において、国内書面提出期間内に国際出願日における明細書及び請求の範囲の日本語による翻訳文が提出されず、その国際特許出願が取り下げられたものとみなされた場合であっても当該出願が国際公開されたものであれば、その国際特許出願の出願の日より後に出願された特許出願は、その国際特許出願をいわゆる拡大された範囲の先願として、特許法第29条の2の規定により拒絶される。

 解答
 × 特184条の13解説参照。翻訳文未提出により取下擬制された国際出願は拡大先願の地位を有さない。


 解説
 枝2,4の2つが正しいので、2の2つが正解。






オリジナルレジュメ

 参考書・基本書  試験対策・勉強法  改正・判例解説  短答試験  過去問  論文試験  選択科目  選択科目の免除  口述試験  転職





 「独学の弁理士講座」TOPへ戻る inserted by FC2 system