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 また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供しているオリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。

H25年短答試験問37

 特許法第29条の2(いわゆる拡大された範囲の先願)に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
 以下において、甲は、自ら発明イ及び発明ロを完成して、平成24年6月1日に特許出願Aをしたものとし、乙は、自ら発明イを完成して、平成24年7月1日に発明イに係る特許出願Bをしたものとする。
 ただし、特に文中に記載した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際特許出願、実用新案登録に基づく特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、又は出願の変更に係る特許出願ではなく、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決は確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとし、文中に記載した優先権の主張の取下げはしないものとし、また、特許を受ける権利の承継はないものとする。


枝1

 (イ)出願Aの願書に最初に添付した明細書には発明イ及び発明ロが記載され、甲は平成24年8月1日に出願Aの一部を分割して発明イに係る新たな特許出願Cをし、その後、出願Aは出願公開されることなく取り下げられた。この場合、出願A及び出願Cは、いずれも、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有することはない。

 解答
 ○ 特29条の2解説参照。出願公開されていないので出願Aは当該地位を有さず、分割出願Cは現実の出願日で拡大先願の地位を取得するので、出願Bに対しては当該地位を有さない。

枝2

 (ロ) 出願Aの願書に最初に添付した明細書には発明イが記載され、甲は平成24年8月1日に特許法第41条1項の規定による優先権の主張を伴って出願Aを基礎とする発明イに係る特許出願Dをし、その後、出願Dは出願公開されることなく取り下げられた。この場合、出願Aは、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有することがある。

 解答
 ○ 特42条3項参照。出願Dが先の出願の日から一年三月以内に取り下げられたときは出願Aが取下げられないので、その後出願公開によって先願としての地位を有することがある。っていうか、問題文で出願公開の請求がされた場合を除外していないので、それを考慮すれば何でもあり。

枝3

 (ハ)出願Aは外国語特許出願であり、出願Aの国際出願日における明細書には発明イが記載され、出願Aは出願Bの出願後に国際公開された。この場合、出願Aは、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有しないことがある。

 解答
 ○ 特29条の2解説参照。外国語特許出願が翻訳文未提出により取下擬制された場合、拡大先願の地位を有しないことがある。

枝4

 (ニ)出願Aの願書に最初に添付した明細書には発明イが記載され、出願Aに係る発明イについて特許を受ける権利が平成24年6月20日に甲から乙に相続によって承継され、出願Aは出願Bの出願後に出願公開された。この場合、出願Aは、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有することがある。

 解答
 × 特29条の2解説参照。後願の出願時に出願人が同一であれば特29条の2の適用はない。

枝5

 (ホ)出願Aの願書に最初に添付した明細書には発明イが記載され、出願Bは特許法第30条に規定する発明の新規性の喪失の例外の適用を受けた特許出願であり、出願Aは出願Bの出願後に出願公開された。この場合、出願Aは、出願Bに対し特許法第29条の2に規定するいわゆる拡大された範囲の先願としての地位を有しないことがある。

 解答
 × 特30条1項参照。特29条の2は対象ではない。また、そもそも特30条の新規性喪失の例外適用を受けても出願日が遡及するわけではない。

 

解説

 4,5が×なので、2の2つが正解。





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