以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。
また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供している
オリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。
H24年短答試験問20
特許権又は実施権に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
枝1
特許権者甲が特許権について乙に対して専用実施権を設定し、その登録がされている場合、甲は、乙の承諾なしに、その設定行為で定めた範囲内において、当該特許権について通常実施権を第三者に対して許諾することはできない。
解答
○ 特78条1項解説参照。専用実施権を設定している場合、特許権者は、その範囲では通常実施権を設定できない。
枝2
特許権者甲が特許権の一部の範囲について乙に対して専用実施権を設定し、その登録がされた後に、その設定登録前に甲が特許権の全部の範囲について丙に通常実施権を許諾していたことが判明した場合でも、乙は、丙の承諾を得ることなく、その設定行為で定めた範囲内でその特許発明を実施することができる。
解答
○ 特78条1項解説参照。通常実施権は債権的な性格を有するに過ぎないので、乙は丙の承諾なく実施をすることができる。
枝3
特許権について専用実施権が設定されている場合、専用実施権者は、実施の事業とともにする場合又は相続その他の一般承継の場合を除き、特許権者の承諾を得なければ専用実施権を移転することができないが、特許権者は、専用実施権者の承諾を得なくとも、特許権を移転することができる。
解答
○ 特77条3項に記載の通り。専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。特許に付いては特に制限する規定がない。
枝4
特許法第79条に規定する通常実施権(先使用による通常実施権)は、特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者に対して、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において認められるものであり、特許出願の際に存在しなかった製造装置による実施行為について認められることはない。
解答
× 特79条解説参照。事業の目的の範囲内において通常実施権を有するので、例えば、新たな製造装置を用いて苛性ソーダ製造業の製造規模の拡大をすること、同一性を失わない範囲で変更した製造装置で実施すること等は許される。
枝5
特許法第35条第1項に規定する通常実施権(職務発明に係る特許権についての通常実施権)、及び特許法第79条に規定する通常実施権(先使用による通常実施権)については、通常実施権者は特許権者に対して対価を支払う必要がない。
解答
○ 特35条、特79条参照。対価が必要である旨の規定はない。
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