以下の内容はあくまで管理人の解釈であり、受験機関などの解答は参考にしておりません。また、その正確性を保証するものではありません。もし、間違いに気付かれた方は、独学の弁理士講座掲示板、又は、メールにてご連絡下さい。
また、解説中「○○条解説参照」などとあるのは、本サイトで提供している
オリジナルレジュメの該当箇所を参照するという意味です。
H23年短答試験問33
特許権侵害に対する損害賠償に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
枝1
特許権を侵害した者が、特許権者に対し、その侵害の行為によって受けた利益の額を超えて、損害を賠償すべき場合はない。
解答
× 特102条1項解説参照。損害額が上回っていれば、侵害者が受けた利益の額を超えて賠償する必要がある。例えば、特102条1項の推定額(侵害者の譲渡数量×特許権者又は専用実施権者が販売する物の単位数量当たりの利益)が侵害の行為によって受けた利益の額を超える場合がある。
枝2
特許権を侵害した者は、その侵害の行為によって受けた利益の額が特許権者の受けた損害の額を上回る場合であっても、特許権者に対し上記利益の額の全額を支払わなければならない。
解答
× 特102条2項解説参照。特許権者の受けた損害の額を上回る場合は、減額される可能性がある。例えば、特許権者が実施していなければ、逸失利益が無いので実施料相当額(特102条3項)減額される場合がある。
枝3
特許権者が、その特許権を侵害した者に対し、特許法第102条第3項の規定に基づき、その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額として損害賠償請求をする場合、現に特許権者が第三者からその特許発明につき契約で定めた実施料率に基づいて実施料を得ているときには、上記「その特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額」は、当該実施料率に基づいて算定されなければならない。
解答
× 特102条3項解説参照。H10年改正により、「通常受けるべき金銭の額」から「通常」の文言が削除されたという事情もあり、実施料率は事案ごとに算定される。
枝4
特許権者が、その特許権を侵害した者に対し、特許法第102条第1項の規定に基づき、その者がその侵害の行為を組成した物を譲渡した数量に特許権者の製品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、自己が受けた損害の額として損害賠償請求をする場合、裁判所は、上記乗じて得た額が特許権者の実施の能力に応じた額を超えた場合であっても、上記乗じて得た額を損害の額と認定することができる。
解答
× 特102条1項に記載の通り。特許権者の実施の能力に応じた額を超えた場合、つまり、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を特許権者が販売することができないとする事情がある場合は、当該事情に相当する数量に応じた額を控除する。
枝5
特許権者が、その特許権を侵害した者に対し、特許法第102条第1項の規定に基づき、その者がその侵害の行為を組成した物を譲渡した数量に特許権者の製品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、自己が受けた損害の額として損害賠償請求をする場合、上記数量の一部に相当する数量を特許権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額が上記乗じて得た額から控除される。
解答
○ 特102条1項に記載の通り。譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を特許権者が販売することができないとする事情がある場合は、当該事情に相当する数量に応じた額を控除する。
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