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H23年短答試験問10

 特許法第29条の2(いわゆる拡大された範囲の先願)及び第39条(先願)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
 ただし、特に文中に示した場合を除いて、「特許出願」は、外国語書面出願、特許協力条約に基づく国際出願に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、又は出願の変更に係る特許出願ではなく、放棄、取下げ又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。



枝1

 甲は、自らした発明イについて特許出願Aをし、乙は自らした発明イについて特許出願Bを特許出願Aと同日にした。出願A及び出願Bの出願公開前に、特許庁長官は、特許法第39条第7項及び第8項に基づき、相当の期間を指定して、協議をしてその結果を届け出るべき旨を甲及び乙に命じたが、当該指定された期間内に届出がされなかったため、出願A及び出願Bについて拒絶の査定が確定した。そこで、甲及び乙はさらに協議を行い、発明イについての特許を受ける権利を甲及び乙の共有とすることとし、改めて発明イについて特許出願Cをした。
 この場合、出願Cは、出願A又は出願Bを先願として特許法第39条の規定によって拒絶されることはない。


 解答
 × 特39条5項解説参照。協議不調不能による拒絶の場合は、先願の地位を有するので拒絶される。


枝2

 甲がした外国語書面出願Aの願書に添付した外国語書面には甲が自らした発明イが記載されていたが、その翻訳文には発明イが記載されていなかった。乙は、自らした発明イについての特許出願Bを、出願Aの出願の日後、出願Aの出願公開前にした。
 この場合、出願Aについて出願公開がされても、出願Bは、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として特許法第29条の2の規定によって拒絶されることはない。


 解答
 × 特29条の2解説参照。外国語書面出願の場合は、外国語書面の範囲で拡大先願の地位が発生する(翻訳文の範囲ではない)。


枝3

 甲が自らした発明イ及びロについて特許出願Aをした日後、出願Aの出願公開前に、乙が自らした発明イについて特許出願Bをした。
 この場合、甲が、出願Bの前に、出願Aについて、発明ロのみが明細書、特許請求の範囲及び図面に記載されるものとする補正をした場合、出願Aについて出願公開がされても、出願Bは、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として特許法第29条の2の規定によって拒絶されることはない。


 解答
 × 特29条の2解説参照。ある発明を削除する補正をした出願について公開された場合であっても、当該発明について拡大先願の地位が発生する。


枝4

 甲が自らした発明イについて特許出願Aをした日後、出願Aの出願公開前に、乙が自らした発明イについて特許出願Bをした。
 この場合、甲が、出願Aを取り下げたときは、当該取下げの時期にかかわらず、出願Bは、出願Aをいわゆる拡大された範囲の先願として特許法第29条の2の規定によって拒絶されることはない。


 解答
 × 特29条の2解説参照。出願公開後に先願が取下された場合は、拡大先願の地位が残る。


枝5

 甲が自らした発明イ及びロについて特許出願Aをした日後、乙が自らした発明ロについて特許出願Bをした。甲は、出願Bの出願後、出願Aについて出願公開がされないうちに、出願Aの一部を分割して発明ロのみについて新たな特許出願Cをするとともに、出願Aを取り下げた。
 この場合において、出願Aについて出願公開がされることなく、出願Cについて出願公開がされたとき、出願Bは、出願Cをいわゆる拡大された範囲の先願として特許法第29条の2の規定によって拒絶されることはない。


 解答
 ○ 特29条の2解説参照。分割出願は現実の出願日で拡大先願の地位を取得する。




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