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H20年短答試験問53

 平成18年法律第55号による、特許法に規定する罰則に関する改正の内容を述べ、解説した次の各文章のうち、解説が最も不適切なものは、どれか。

枝1

 1 特許権のいわゆる直接侵害に係る懲役刑の上限が引き上げられるとともに、罰金刑の上限についても、500万円から1000万円に引き上げられた(特許法第196条)。この改正は、特許権の侵害による被害額が高額となる場合も多く、侵害行為によって不法な経済的利益を得た侵害者については、自由刑のみならず、財産刑たる罰金刑を適切に適用する必要があるためになされたものである。

 解答
 ○ 特196条及びH18改正本参照。特196条はH18年法律第55号により改正された。

枝2

 2 いわゆる間接侵害(みなし侵害)行為のみを対象とする刑罰規定が新設され、その懲役刑及び罰金刑の上限については、特許権のいわゆる直接侵害行為に係る懲役刑及び罰金刑の上限に比べて、いずれも低いものとされた(特許法第196条の2)。この改正は、特許権の侵害抑止の実効性を確保する必要性があり、また、みなし侵害行為はそれ自体によって直接的に権利者の損害を発生させる行為ではなく、あくまでいわゆる直接侵害行為の予備的・幇助的行為にとどまるためになされたものである。

 解答
 ○ 特196条の2及びH18改正本参照。特196条の2はH18年法律第55号により追加された。

枝3

 3 特許権侵害の罪に係る刑事罰について、懲役刑と罰金刑の併科が導入された(特許法第196条、第196条の2)。この改正は、特許権は財産権であり、その侵害は経済的利得を目的として行われることが多いことを考えると、懲役刑が選択される場合であっても、罰金に処すことをもって、被害を受けた権利者の金銭的救済を図る必要があるためになされたものである。

 解答
 × 特196条、特196条の2及びH18改正本参照。懲役刑と罰金刑の併科はH18年法律第55号により追加されたが、その目的は、産業財産権侵害罪は財産権の侵害であり、経済的利得を目的として行われることが多いことを考えると、懲役刑が選択される場合であっても、経済的制裁である罰金を併科することにより、刑事罰の抑止効果を高めることを可能にすることにある。

枝4

 4 両罰規定における特許権侵害の罪のいわゆる法人重課が、1億5000万円以下の罰金から3億円以下の罰金に引き上げられた(特許法第201条第1項第1号)。この改正は、企業経営における特許権の重要性や、特許権の侵害による被害額の高額化に鑑みてなされたものである。

 解答
 ○ 特201条1項1号及びH18改正本参照。特201条1項1号はH18年法律第55号により改正された。

枝5

 5 法人等に罰金刑を科す場合における時効の期間は、自然人の侵害の罪についての時効の期間による旨が規定された(特許法第201条第3項)。この改正は、特許権侵害の罪の法定刑が懲役10年以下とされると、自然人に適用される同罪についての公訴時効の期間と、両罰規定により法人に適用される同罪についての公訴時効の期間が異なってしまうので、こうした事態を避けるためになされたものである。

 解答
 ○ 特201条3項及びH18改正本参照。特201条3項はH18年法律第55号により改正された。


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