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H20年短答試験問30

 優先権に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
 ただし、以下において、「パリ条約」とは、パリ条約のストックホルム改正条約をいうものとする。


枝1

 1 パリ条約において優先権の主張の基礎とすることができる出願は、各同盟国の国内法令によって正規の国内出願とされる出願であり、出願をした日付を確定するために十分な出願であっても、出願後に取り下げられ、放棄され又は拒絶の処分を受けた出願は、優先権の主張の基礎とすることはできない。

 解答
 × パリ4条A(1)に記載の通り。パリ優先の基礎にできる正規の国内出願とは、結果のいかんを問わず、当該国に出願をした日付を確定するために十分なすべての出願をいうので、出願後に取下、放棄又は拒絶された出願であっても、優先権の主張の基礎とすることができる。

枝2

 2 同一対象についてパリ条約の同一の同盟国に2つの出願がされた場合でも、先の出願が、公衆の閲覧に付されないで、かつ、いかなる権利をも存続させないで、後の出願の日までに取り下げられ、放棄され又は拒絶の処分を受けたこと、及び、その先の出願がまだ優先権の主張の基礎とされていないことを条件として、後の出願が「最初の出願」とみなされる。

 解答
 ○ パリ4条C(4)に記載の通り。同一の対象について同一の同盟国においてされた後の出願は、先の出願が、
 @公衆の閲覧に付されないで、かつ、
 Aいかなる権利をも存続させないで、
 B後の出願の日までに取下、放棄又は拒絶されたこと、及び
 Cその先の出願がまだ優先権の主張の基礎とされていないこと、
を条件として、最初の出願とみなされ、その出願の日が優先期間の初日とされる。

枝3

 3 パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国の国民が当該国においてした出願に基づく優先権の主張を日本国においてする際、いかなる場合も、優先権の利益は認められない。

 解答
 × 特43条の2第2項に記載の通り。パリ条約の同盟国又は世界貿易機関の加盟国のいずれにも該当しない国の国民であっても、
 @該特定国が、日本国民に対し、日本国と同一の条件により優先権の主張を認めており、
 A特許庁長官が指定している場合は、
パリ条約4条の規定の例により、特定国の国民が当該国においてした出願に基づく優先権の主張をすることができる。

枝4

 4 ある特許出願Aのパリ条約による優先権の主張の基礎とされた特許出願Bが、Bの出願の日前になされた特許出願Cに基づくパリ条約による優先権の主張を伴っている場合、Bに係る出願書類の全体に記載された発明の構成部分のうち、Cに係る出願書類の全体に既に記載されている発明の構成部分についても、Aについて優先権の利益が認められる。

 解答
 × パリ4条C(2)参照。累積的に優先権を認めると、実質的に優先期間を延長することとなるため、パリ条約による優先権主張の基礎とすることができるのは、パリ条約の同盟国における最初の出願のみである。よって、AについてCに係る優先権の利益は認められない。

枝5

 5 審査により特許出願が複合的であることが明らかになり、特許出願人が、その特許出願を2以上の特許出願に適法に分割した場合には、特許出願人は、その分割された各特許出願の日付としてもとの特許出願の日付を用いることができるが、もとの特許出願にパリ条約による優先権の利益があるときは、その分割された各特許出願について、優先権を主張しても、その利益を保有することはできない。

 解答
 × パリ4条G(1)参照。審査により特許出願が複合的であることが明らかになった場合、出願人は二以上の出願に分割することができる。この場合、分割された各出願の日付としてもとの出願の日付を用いることができ、優先権の利益があるときはこれを保有する。


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