延長登録拒絶審決取消請求事件(平成21(行ヒ)326号)の概説
事件の概要
本事件は、特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認に先行して、当該承認の対象となった医薬品と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品について同項による製造販売の承認がされている場合であっても、その医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは、当該先行する承認がされていることを根拠として、当該特許権の特許発明の実施に延長登録出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められないということはできないとされた事例です。
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[前提] 承認を受けることが必要であったと認められない場合
従来、特許庁の延長登録出願の審査においては、ある有効成分と効能・効果を有する医薬品の製造等に政令で定める処分を受けることが必要であったと認められないときには、承認を受けることが必要であったと認められず、延長登録出願が拒絶されていました。
つまり、先行して製造販売の承認を受けた医薬品と「同じ有効成分と効能・効果を有する」医薬品については、その承認が必要であったと認められませんでした。
本事件の要点
特許権者は、本事件の対象となった医薬品について薬事法14条1項による製造販売の承認を受ける前に、有効成分並びに効能及び効果が同じである先行医薬品について薬事法14条1項による製造販売の承認を受けていました。そのため、特許庁は、承認を受けることが必要であったとは認められないとして、上記処分を理由とする延長登録出願に対して拒絶査定(及び拒絶審決)をしました。
しかし、先行医薬品は、本事件の対象となった特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないものでした。そのため、最高裁は、後行医薬品と有効成分並びに効能及び効果が同じ先行医薬品について先行処分がされていても、先行医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属していなければ、延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明も実施することができたとはいえない、と認定しました。
そして、特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認(処分)に先行して、有効成分並びに効能及び効果が同じ先行医薬品について同項による製造販売の承認がされている場合であっても、先行医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは、当該特許権の特許発明の実施に処分を受けることが必要であったとは認められる。と、判断しました。
私見
本判決は、延長登録出願と絡めることで論文試験にも出題することができると思います。可能性が高いとは忌めませんが、理由及び結論をしっかり理解することが好ましいでしょう。

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